一昨日から、私が所属する(公社)日本ユネスコ協会連盟における2014年度の部会が始まりました。
そこで感じたことでもあり、かつ先日寄付目標額に到達出来なかったクラウドファンディング「ready for?」を開催している最中にも感じていたことではありますが、ステップアップ塾を開塾して約二ヶ月、ひとり親家庭の子どもたちに本気で向き合い始めてからの私は、近年の報道を含めた行政の教育格差の対応の仕方に以前よりも違和感を覚えるようになりました。
なぜか。
敢えて批判を恐れずに書くとすれば教育格差を解決するためにはバラマキ型の支援よりも、子どもたち自身が訴えるSOSに、子どもたちの目線で向き合うことこそが問題改善には必須であると確信したからです。
つまり、やはりと言うか当然と言うか当事者である「子どもたちのココロ」を無視して、教育格差の抜本的な改善は望めないと思うのです。
【家庭不和の環境で育った経験】
そもそも私はひとり親家庭でも、経済的な困窮家庭に育ったわけでもありません。
しかし私の場合、両親がひどい不仲でいつ離婚してもおかしくない、いわゆる「家庭不和」の中で育ちました。
サラリーマンだった父はすさまじいレベルでの癇癪持ちで、帰宅後に酒を飲むと本当にくだらない些細なことで怒り狂い、母が作った料理を外に投げつけ、手でサイドボードのガラスを割り、金属バットでストーブを叩き壊すなど、日常茶飯事だったのです。
力では敵わない印象を植え付けられた母も兄も姉も、心的な我慢を強いられる環境の中で生活して来ましたが、耐え切れなくなった兄は私が小学五年生の時に家出をし、姉も日に日に暗い性格になってしまったため、子どもの時の私は相当なストレスを感じながら毎日を過ごしたのを覚えています。
そして「ステップアップ塾について」のくだりでも書きましたが、私が当塾を開塾した動機は自分の経験を踏まえた上で、実際に親を失う辛さを味わった子どもたちに「安心した学習環境」を提供したいと考えたからなのです。
当塾は学習指導に加えて「給食」や「清掃活動」をカリキュラムに加えることで、身内以外にも自分たちを見守ってくれる大人の存在をリアルに感じさせることができるため、結果として成績の向上につながると考えています。
【子どもの貧困と言う言葉が一般人に与える印象】
近年の報道の中で教育格差としばしば混同されて使われがちな、「子どもの貧困」。
言葉の定義自体が少々面倒くさいので割愛しますが、この言葉を混同して使うこともテーマが広がり過ぎて一般への誤解を生む要因のひとつではないか、と私自身は思っています。
たとえば先進国に位置する我が国の子どもたちは、なんだかんだ言っても穴の開いた服を着ている子や、風呂に入っていないような子はごくごく稀にしかいません。
つまり写真のように、誰が見ても不自由な生活をしている途上国の子どもたちと比べて「良い服、着てるじゃん!」とか「親は支払う場所を選んでるだけじゃないの?」と言う印象を与えてしまいます。
端的に言えば貧困と言うわりに貧しく見えない子どもは、まずその言葉自体に懐疑的に思われてしまうのです。
だから、発展途上国などの「より可哀想に見える子どもたち」の方が「救う価値がある」と言う感覚になってしまうのでしょう。
生活保護などの不正受給が問題になる昨今、一市民としてこの気持ちも痛いほどわかります。
ですが、考えてみてください。
この国で、貧しい格好をしている子どもがいたら、どのような扱いを受けるでしょうか?
昔から貧乏は、イジメの対象になっていたはずです。
経済的な苦しさを隠して子どもをイジメから守ろう、もしくは人としての尊厳を守ろうと思う親の気持ちは、当たり前ではないでしょうか?
そして、もう一つの悲しい現実として、平均年収が181万円と言われる母子家庭の世帯数は、164万8千世帯、3組に1組が離婚をする時代なのです。
海外の支援も大切かもしれませんが、私たち大人はぐらつく自国の足下を見つめ直し、未来に希望を見出すべきではないのでしょうか?
【変化して来た子どもたちの表情が与えてくれる、方向性への自信】
開塾してから8週が過ぎた現在を振り返れば、当塾の学生講師たちは塾の方針をよく理解し、講師間での意見調整を積極的に行うことで、子どもたちから信頼される「お兄ちゃん・お姉ちゃんのような存在」になっていることは、生徒たちの表情を見る限り間違いない事実だと感じています。
今年集まってくれた講師たちはお世辞抜きで、素晴らしい学生が集まってくれました。私は塾長として、誇りにすら思っています。
ただし、補習塾とは言え塾としてはこれからが本番。
実績として求められるのは子どもたちの意識変革が、学校のテスト結果や進学率などにどのような反映がされるのか、と言うことなのです。
※ただし、2014年度の生徒に小6や中3の生徒はおりません
【子どもたちのココロを見守るステップアップ塾を、あなたもご支援ください!】
readyfor?での挑戦自体は残念な結果に終わりましたが、「毎日ステップアップ塾があればいいのに!」と言ってくれる生徒や「最近笑顔で私(母)のところに来てくれます」と言った保護者からの嬉しいメールが届くようになった今日、塾としての数値的実績を作り、運営を継続させるためのさまざまな工夫が今後も不可欠です。
readyfor?での温かいメッセージをくださった方たちにはココロから感謝をしつつ、今後も不安定な財務体質からの脱却を目指すために私たちの努力は続きます。
皆さんからの情報拡散やご寄付などのご支援も変わらずにいただけると救われる子どもたちが少なくとも20人以上(講師も含め)おりますし、このプロジェクトは全国に広めていくことが目的なので、みなさんひとりひとりのご支援・ご協力がとても大切なのです。
よろしくお願いします。
濱松 敏廣
「子ども時代に感じたDV家庭での不条理を、他の子ども達にまで感じさせたくない。」
そんな想いで、ステップアップ塾を開塾しました。
子ども目線での「有ったらいいな。」を忘れずに、食事つきを前提とした無料学習支援を実施しています。
ヤフーニュースへの寄稿
・「おんぶ」をせがむ小・中学生たち 生育環境で得られなかった「愛」を求めて
・学習塾の自粛で”居場所”失う子たち
・子どもの「スマホ依存」、どう向き合うべきか?取り上げることが「解決」ではない場合も
・“教育格差”是正に向けた1つのヒント 個別指導型オンライン学習のメリデリ
・食べられない子どもたちの現実 “SOS”を見逃さないために大人ができること
誕生日:1976年7月2日
出 身:東京都板橋区
学 歴:明治大学経営学部卒
現 職
・NPO法人維新隊ユネスコクラブ/理事長
・ステップアップ塾/塾長
・株式会社MACH2/代表取締役