塾長便り

いろいろな支援の仕方

投稿日:2014年6月27日 更新日:

塾の運営資金を集めるためクラウドファンディング「READY FOR?」に参加をしていた5月中旬、「SOIF」さんと言う団体から「貴塾の取り組みを、当団体のイベントでプレゼンして欲しい」とのお声がかかりました。

自分たちの活動を「日本の寄付文化に風穴をあける大人の遊び」と位置づけ、第一回目のイベントテーマを「教育・子ども」に設定、「READY FOR?」の中から支援の対象となりそうな団体を3つに絞った上で、私たちにも声をかけてくださったとのこと。

当塾の運営母体である(特非)環境維新隊東京ユネスコクラブも掲げていることですが、せっかくの良いことも「あそび」と言う軽さがないと、現代の日本社会では支持が広がりにくい。

手法は違えども、SOIFさんの心意気にとても共感出来たので、事業担当の星野とともにありがたく参加させていただくことにしました。

IMG_4744 会場で話を詳しく聞いてみると、メンバーたちは現役の若手エリートたち。省庁で働くキャリアや会社社長そして学生など、さまざまな立場の方が参加されていました。

いわく、「自分たちが直接には出来ない社会的な課題解決に向けて動く人たちを支えることで、寄付文化を『楽しく』根づかせていきたい。一過性のものではなく継続的に支援の対象を探していきたい。」そうで、会場に集った20人ほどの一般参加者たちにもただ講演を聞くのではなく、この日のイベントを通じて「寄付体験」をしてもらうと言う試みでした。

「この人たちは同志とも言える、本当のエリートだな。」、お世辞抜きでそう思うと同時に、理解者が存在することにとてもココロが踊りました。

<それぞれの支援対象のちがい>

会場に集まった他団体は、インドのスラムに学校建設を計画するレンボーチルドレンの石川さん、弱視の子どもたちにより良いデザインのノート製作を試みる伊敷さんなど、それぞれの視点で社会的課題を解決するために奔走する、それぞれがそれぞれに素晴らしいリーダーたち。

「子ども・教育」を軸にしつつも、それぞれの団体が支援する対象は明確に異なっており「貧困国」「障がいを持つ方達」「ひとり親家庭の小中学生」と言うわかりやすさのもと、カテゴリが整理された上で団体への参加を呼びかけていたところも、「あそび」と言いつつも誠実さが感じられるイベントのポイントでもありました。

IMG_4755肝心のプレゼンですが、我らが事業担当星野によるプレゼンがスムーズに進行したおかげで、会場の参加者たちには多大なご支援をいただくことが出来ました。

ただその反面、READY FOR?の結果は当団体だけが、失敗。

原因はさまざまにあるにせよ、呼びかけてくれたSOIFのみなさんには特に申し訳ない気がしました。

<相対的貧困に関する、表現の難しさ>

この体験があったからこそ、私たちは上記の活動CM制作にとりかかったのですが、ここでもさまざまな表現上の問題が浮上しました。

手っ取り早い方法としては、現在塾に通っている子どもたちが「ステップアップ塾に通う前に感じていたこと。通ってから変わって来たこと。」をはっきりと言葉にしてくれることです。
子どもたちの中には、おそらく頼めば引き受けてくれる子もいるとは思いますが、保護者の立場を考えれば押し付けがましいお願いはできませんし、私たちも善意の押し売りがしたい訳でもありません。

相対的貧困(家庭環境や背景を含む)に関する取り扱いの難しさは、支援対象者の顔やメッセージを前面に出せない活動(子どもたちと保護者のプライバシー保護、イジメ防止対策など)のため、運営当事者として知っている彼ら彼女の窮状も言葉にすることが出来ない現状があるのです。

安心出来る環境で育った方たちにはあまり想像出来ないことだとは思うのですが、苦しくても声をあげることができない子どもたちは沢山います。

「貧しいって言われても、服も着てるし雨露しのげる環境なんでしょ?」と思われたり、「給食を出すって、そこまでする必要あるの?」と言われることもありますが、そこは「察して」ください。

必要、あるのです。

<授業参観および講演依頼のおねがい>

子どもは見せ物ではありません。しかし、上記の通り言葉では説明しきれない複雑な問題を抱えているのが、教育格差を抱える我が国の社会課題なのです。

これは正直、見てもらえばわかることも多々あると思っています。ゆえに授業風景を見ていただき、回を重ねる毎に空調の音が聞こえるくらい、集中するようになった子どもたちを見てもらえば、いろいろわかると思います。

必要とあれば私自身が説明にあがります。そして現在財政上の運営問題を抱える当塾への支援を、みなさまにもご理解いただけると幸いです。
自分たちの子どもたちが安全に、健やかに育つためにも社会全体が子どもたちを支えるシステムが必要なのです。

そして講演依頼をいただき、いただける謝金があるのであれば、それも寄付として100%運営資金にまわします。

ご理解ください。よろしくお願いします。

ステップアップ塾 塾長 濱松 敏廣

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