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「スマホ」と「居場所」。社会/大人の責任

投稿日:2020年6月25日 更新日:

 こんにちは、社会人ボランティア講師の熊谷です。在宅勤務が続き、通勤時間短縮になった時間を、最近では法律(特に憲法と民法)学習に手を出し始めました。解説書を読むと、法学って数学の証明と同じなんだなーと実感し、なかなかに面白いです。

さて、先日、yahooニュースに『子どもの「スマホ依存」、どう向き合うべきか?』(https://news.yahoo.co.jp/articles/5562f2563ce1d152bd8c9165adb4db4e5cc8bad9?fbclid=IwAR3Akdi23Cj4aHSj1uXjX23vncfkchzQpzb79kxNdsUXIMXBSi9S_xR7NQw)という題で、塾長が記事を寄稿しました
今日は、記事を読んでの気づきなどを皆さんと共有できればとの想いで書かせて頂きました。

『「オンライン(SNSやブログ、オンラインゲーム)」の人の方が私に共感してくれる』

 オンラインに居場所や相談相手を求める人の話題が出る度に、そうした話をよく耳にします。私が小・中学校に通っていた時代(1996~2005年)には、あまり聞かなかった話ですが、ここ十数年でオンラインの方が居心地がよいというのは、珍しくなくなってきているように感じていました。それでも、塾長の記事を読み、さらにこの塾で講師をしてきた経験に当てはめるまでは、「オンライン」こそが居場所だという人の存在は自分にとってどこか遠い現実だったんだなと、改めて気づかされました。そういう人がいるんだな、ただ、そのくらいの認識でした。

「スマホやゲームもいいけど、それが原因で寝不足になったり、学習時間を削るというのはよくないよ。そうしたものは、あくまで息抜きとして考えてね」

 生徒とスマホやゲームに関する話題になった時、睡眠不足、体調不良、学力低下などの原因が長時間のスマホやゲーム利用にあることが明確で、身体や学業へ悪い影響が出ていると感じた場合は、いつもこう話し、生活のバランスを保つことの大切さを話してきました。

 しかし、そうは言っても止められない現実があるというのが子どもたち、特にスマホなどオンライン上でのコミュニケーションに依存せざるを得なくなった子にとっての事実なんだと、この記事を読んで気づかされました。いくら注意しても、寝不足になっても、頭痛に見舞われても使い続けるのは、コンテンツを消費する楽しさだけではなく、そこに居場所であり相談相手がいるからであり、また、自分を必要としてくれる誰かがいるからなんだと。

社会/大人の責任 

 yahoo記事の最後に、塾長は塾での経験から次のように語っています。
『今も昔も子どもたちが求めているのはただ一つ。「自分に興味を持ってくれる他人の存在」である。その存在がいない、もしくは交流を脅かされたとき、人は不安を募らせ爆発する』
 オンラインの中に自分の居場所や相談相手を求めるようになり、そして睡眠不足や頭痛の慢性化など、身を削ることになっても使うことを止められない。子ども達がそのような事態になったというのであれば、それは、どこかに子どもたちを追い込んでしまった環境があるということ。そして、そのことが示しているのは、周囲の大人や社会がその心やシグナルを読み取らなかった/読み取ろうとしなかった、私たち大人が責任を放棄していることの現れなんだと。
 憲法では、何人たりとも生まれながらの権利を侵害されることはあってはならないと規定しています。しかしながら、未成年に対しては「心身が未成熟であること」「健全なる成長」などのためにその権利の一部を社会として抑制しています。である以上、子供たちが安心して生活できるような社会環境を整え、彼ら一人ひとりの心に寄り添い、成長を応援することは、社会に生きる大人全員が共通して「果たすべき義務」であり責任なのではないでしょうか。

「子どもたちの現実と」どう向き合うべきか

 大きな話で言えば、国の在り方や教育制度など色々とすべきことがあるでしょう。将来のことを考えれば議論し、よりよい社会環境を整えることはとても大事です。しかし、問題に直面している子への手助けは、将来ではなく「今、その瞬間」にこそ必要です。そして、その瞬間に必要なのは「遠い将来の話」ではなく、その場・その時に自分の話を聴いて心に寄り添ってくれると信頼できる大人です。

 私たち一人ひとりが、子どもにとって信頼できる姿を見せること、相談したら話をきいて心に寄り添ってくれる身近な存在だと思われることが、まず、今ある問題を少しずつでも前に進める一歩だと思います。

 今、自分の胸に手をあてて子ども時代を思い返すと、「大人=言っても理解してもらえない存在」だと感じて不満を抱えたことは、大なり小なりあり色々とありました。大人になった自分が、その時自分が不満を抱えた「話をしてもわかってもらえない大人」になっていないか。改めて見つめ直す時間が自分にも来たんだなと思うと同時に、いつの間にか年を重ね自分も大人に近づいていたんだなと、ふと実感をしました。

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