塾長便り

ボランティア講師説明会に向けて

投稿日:2024年4月3日 更新日:

例年通り、今年も学生講師ボランティア説明会の時期が来ました。

コロナ禍をきっかけにオンライン授業を開始し、今でも各教室での対面授業とハイブリッド授業を続けていることもあり、活動10年を迎えた去年は全国から200名を超える現役学生が無給を基本としたボランティア講師にも関わらず、継続的な参加をしてくださりました。

今年度も開塾タイミングは4月の第3週土曜からですが、その前週に当たる13日土曜の14時より講師説明会を予定しています。開催情報は当ページの最下部でご確認いただくとして、なぜ当塾には優秀な学生講師が多数集まるのか、新たに続くであろう10年後を見据えながら私見を綴りたいと思います。

✅無料塾を必要とする子ども達の背景と、学生ボランティアに求める大切な心得

大学生とともに、地域トップ高の学生ほど多く集まるボランティア講師

当塾は開塾以来、多くのボランティアさんに協力をしてもらいながら活動を継続している食事&自習室つきの無料塾です。前段に書きましたが、中でも毎年たくさんの学生ボランティアさんが講師として当塾を支えてくれるからこそ、全体で100人ほど(完全無料な生徒は毎年7割強)の生徒を受け入れる体制が出来ていると言えます。

補助金に頼らない活動ながら10年以上の運営継続が出来た今、都内トップ校や国立高校など難関高校レベルの学校に合格する生徒も珍しくはありません。がしかし、これは当塾のポリシーでもありますが、生徒の実績を塾の合格実績として強調することは控えるようにしています。

と言うのも、無料塾を必要とする子ども達の本質的な背景を想像していただければわかる話だとは思いますが、彼らの多くが何かしらの理由で心に傷を負い、自身の親はおろか他人への不信感を感じ始めている子ども達であることを知っているから、です。

それは、
学校でいじめに遭い、不登校になったことが理由かもしれません。
または、
両親が不仲で、家に居場所がないことが理由かもしれません。
もしくは、
常に空腹で、日々の生活に不安を感じる経済状況であることが理由かもしれません。
それとも、
大学進学を親から疎まれたり、進学に偏見のある地域に住んでいることが理由かもしれません。
あるいは、
難病にかかったことで入院期間が長くなり、自らの未来を悲観していることが理由かもしれません。
etc…

そんな経験をしてきた子ども達が、講師の皆さんひとりひとりによる勉強を通じた寄り添いと伴走の結果、少しずつ勉強の楽しさを感じるようになっていきます。将来を自分で切り拓こうと努力するようになっていきます。これは講師ボランティアのみなさんが、子ども達にとって「身近な憧れ」になってくれるからこそ起こる変化でありますが、結果的には生徒本人が努力をした証なのです。だからこそ、当塾では合格実績の喧伝を控えている、とご理解ください。

教室や食事を用意し、生徒とボランティア講師を繋ぎ、保護者との連絡をこまめに取りつつ各教室と連携しながら支援者を募ることは無料塾運営において大変な仕事ではありますが、支援対象の子ども達を笑顔に出来るのは講師ボランティアのみなさんがいてくれるからこそ、果たせる結果なのです。

私からそんなみなさんに感謝をしつつも一つだけ、新たに参加をしてくださるであろう方にお伝えする心得があるとすれば、子ども達に勉強の楽しさを伝えるためには学習テクニックを伝えることよりも、大切なコツがあります。

それは彼らの学習を見守るだけでなく、ちょっとした子ども達のSOSに気づける感性を持った「優しいお兄ちゃん・お姉ちゃん」になることです。

学習指導におけるテクニックがあるに越したことはありませんが、子ども達が先生のことを好きになるからこそ、宿題も「自主的に」やるようになるのです。

✅無料塾が求められている社会的役割と、講師説明会の詳細

早稲田大学サークル「学習支援STEP UP!」での交流も魅力!?

また本来、有志による無料塾に求められる社会的な役割を端的に書けば、「世の中にはお金だけを目的に行動をする人ばかりではなく、次世代にとっての希望を作り出すことに生き甲斐を感じる人たちがいると言う事実を示すこと。また同時に全ての子ども達が腹を満たし、安心して学ぶことのできる学習環境を作ること。」つまりは次世代に希望を感じさせることに尽きる、と私達は考えています。

だからこそ以下は当塾の設立者と言う立場でも言えることですが、子ども達が安心して勉強ができるよう、参加する全ての有志が気持ち良くボランティア活動ができるよう、言葉掛けを含むお互いへの労りの気持ちを持ちながら教室の雰囲気を良くすることこそが、塾内において最も大切な「当塾に関わる全てのメンバーに共通する仕事」なのです。

もう少し個人的なことも書くならば、酒乱の父によるDV環境で育った私だからこそ、当塾は幼少期の私が感じていた「あったらいいな」をカタチにした場所であり、「子ども目線」を意識し続けることのできる学習スペースとも言えるのですが、10年が経過した今は経済的な問題を抱える子ども達だけでなく、さまざまな環境の子ども達にも対応できる学習環境になったのではないか、と自負出来るようになりました。

4月13日当日はオンラインを含めた説明会ですので、対面でお話しできないメンバーもいるとは思いますが、学生ボランティア講師の先輩達が新たな仲間を迎えることを楽しみに待っています。対面教室はもちろんオンライン教室に至るまで子どもと講師の皆様にとって安らげる場所を目指しておりますので、ぜひ一緒に居心地の良い空間作りをしていただけると嬉しいです。

みなさまのご参加を、心よりお待ちしています。

ステップアップ塾 塾長 濱松 敏廣

————-2024年度ボランティア講師説明会————-

申込:講師説明会申し込みフォーム

日時:4月13日土曜 14:00-15:30

対象:小中学生に勉強を教えるボランティアに参加を希望している高校生~社会人の方(経験不問)

会場:オンライン会議室(※1)または各教室(※2)
※1 URLは4月上旬にご連絡いたします
※2 東京都:西新宿教室・新江古田教室、福岡県:北九州八幡教室、群馬県:前橋敷島教室、
高知県:高知はりまや教室の5教室。原則として教室参加者は、対面授業参加希望者のみとします。

-塾長便り

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

食事つき無料塾の塾長がコロナ禍で実行に移した、「狩猟」と言う選択

ご存知の通り2014年の開塾以来、当塾はいわゆる子ども食堂とは違う立場で活動する「食事つき無料学習施設」であり、塾にせよ自習室にせよ国内におけるその草分け的な存在であることに私はこだわりと誇りを持って …

四年ぶりの挨拶とケジメ

週に一回の学習支援とは言え、準備やチームビルディングにかかる報・連・相を含めれば、当団体のボランティアは負荷がかなり高い活動と言えるでしょう。 にも関わらず、一年間を通じて毎週必ず参加してくれる学生は …

12月10日 授業レポート

こんにちは!学生講師の柴田風花です!2022年もあと2週間で終わってしまいますね。今年は大学に入り、初めての経験ばかりで忙しい1年でしたが、もうすぐ終わってしまうと思うとあっという間だったなと感じます …

2024年度入塾生申込受付中!

ステップアップ塾では現在、2024年度の入塾生の申込を受け付けています。 対象は、家庭や学校等の事情により一般的な塾に通うことが難しい新小4~中3生です。 高校生・大学生を中心とするボランティア講師が …

生徒たちへのエールと、さまざまなご支援

2017年度の学習指導は、ついに今週22日(木曜)で最後です。 滑り止めを受けられる高校受験組の私立合格報告はすでに数人から聞いていましたが、彼らの多くにとって今週末に行われる都立受験は、まさしく本番 …

記事カテゴリー

Translate:

◆メディア紹介

▼活動概要 ※制作:(公財)社会貢献支援財団

▼NHK WEBリポート

▼BS朝日「読むバトンタッチ」

▼日テレ「すけっと」公式ダイジェスト

▼SUJ公式
「私が勉強する意味」

▼SUJ公式
「オンライン授業下の工夫」

▼SUJ公式
「子どもの時、言えなかったこと」


◆支援をする

▼クレジットカードで寄付

▼口座振込で寄付

▼税控除サイトで活動指定寄付

▼携帯電話支払いから寄付

▼塾が必要とする物資で支援
※「Amazonみんなで応援プログラム」掲載中




▼持っている本で塾に支援


◆登録をする

▼入塾資料請求フォーム 2024年度

▼ボランティア登録フォーム


◆LINK

▼運営「NPO法人維新隊ユネスコクラブ」

▼自習室「STUDY CAMP」

電話サポート(平日10-18)