塾長便り

学生起業家となった元塾生との再会

投稿日:2024年9月22日 更新日:

A君と数年ぶりの撮影

2014年のステップアップ塾設立時に入塾し、早稲田の教室に4年ほど通塾していたA君から数年ぶりに連絡があった。なんでも大学で、5分ほどのドキュメンタリー映像を作る課題があり、どうせ作るならステップアップ塾をテーマに扱いたいと思い連絡をしたと言う。

細かい話はともかくウェルカムバックだ、おいでおいでと昨日は数年ぶりの再会が実現したのだが、「中学を卒業してから陸上自衛隊高等工科学校に入り、そこで貯めたお金で起業して今は同時進行で大学生生活をしてます!ステップアップ塾のおかげなのに、連絡遅れてすみません!」などとのたまう彼は高校卒業後直ぐに家計を助けるべく起業し、今や12人もの社員を雇う運送業と車屋を経営しながら学費はもちろん、親にも10万を超える生活費を渡しつつ、趣味である車も新車のベンツを買えるまでになったと言う。

「そこまで多くはなくとも役員報酬をもらえてるので、4年もお世話になった塾には何かしらの寄付や会員にもなりたいんですよね。朝食のカレーもたくさん食べさせてもらいましたし。」などと嬉しいことを言ってくれる彼は、小学生の時から出来るだけ早く自立したいと言ってたのだが初志貫徹、その目標を実現させつつあるらしい。

当時からハングリー精神を随所に感じさせてくれていた彼ではあるが、改めて聞いたさまざまな苦労話に悲壮感を感じさせないのは、彼のキャラクターがなせる技であろう。来塾目的であるインタビューも、工科学校で鍛えられただけあって二人の同級生にテキパキと指示を出し、事後は二人を先に帰らせた上で自信に満ち溢れた顔を向けながら「また来ます!」と帰って行った。そんな彼を見て、大学進学だけではなく人生における選択肢を広げられるよう指導し続けて来た当塾の活動方針は間違ってなかったな、と強く感じることが出来た。

当事業は正直言えば善意の心が折られそうになることも少なくない活動ではあるのだが、昨日の成功例を心に刻めばあと数年は頑張れると思えるほどに、彼から心の栄養を補充させてもらった。

相互理解を前提とした優しい世界の実現は大切に違いない。されどハングリー精神を刺激する教育は、無料塾が必要な子ども達にとってはより必要不可欠なスパイスなのだ。

補助金をあてにしない我々の運営を見て、言葉では理解出来なかったであろうその意義を、卒業後の元生徒が感じ取ってくれたことを幸せに思う。

奮起しよう。
誇りを持つからこそ、人は強くなれる。
ステップアップ塾は、関わるみんなが家族なり。
日本を愛するみんなが、家族なり。

PS:「顔出し?むしろ喜んで!」とのことだったので、ボカシなしでの公開です。

-塾長便り

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

残念な言葉と、励ましのアクション

ステップアップ塾はもちろん、トレーラーハウス自習室「STUDY CAMP」には黎明期に特有のさまざまな課題がたくさんあります。 資金、電気、物資、管理者、運搬、運営スキームなどなど数え上げればキリがあ …

反面教師としての活動 〜DVを識る〜

ステップアップ塾にも多大なご協力をいただいている(株)ソーケンさんで気になるイベントがあったため、昨日は敢えて塾をお休みさせていただき、参加して来ました。 イベントのテーマはDV。つまり家庭内暴力のこ …

「教育格差の現実とステップアップ塾の事例紹介」を終えて

ステップアップ塾も、今年でいよいよ5期目を迎えました。 たかだか5年の実績とは言え、年間40人以上の子ども達や保護者達と定期的に向き合う中で、教育機会が不均衡(教育格差)となる彼らの複雑な背景に目を向 …

2021年度入塾説明会のお知らせ

<2021年度入塾説明会のお知らせ> ステップアップ塾では、2021年度の入塾説明会を開催します。ご興味のある方は、以下フォームよりお申込みをお願いします。◆説明会日程:2/21(日)14:00~15 …

夏期合宿「Study Boot Camp2015」を終えて

今年度のひとつの挑戦が、ようやく終わりました。当塾の夏期合宿「Study Boot Camp2015」です。 去年通っていた生徒へのアンケートの中で出てきた「みんなとお泊まりしたい」と言う子どもたちの …

記事カテゴリー

Translate:

◆メディア紹介

▼活動概要 ※制作:(公財)社会貢献支援財団

▼NHK WEBリポート

▼BS朝日「読むバトンタッチ」

▼日テレ「すけっと」公式ダイジェスト

▼SUJ公式
「私が勉強する意味」

▼SUJ公式
「オンライン授業下の工夫」

▼SUJ公式
「子どもの時、言えなかったこと」


◆支援をする

▼クレジットカードで寄付

▼口座振込で寄付

▼税控除サイトで活動指定寄付

▼携帯電話支払いから寄付

▼塾が必要とする物資で支援
※「Amazonみんなで応援プログラム」掲載中




▼持っている本で塾に支援


◆登録をする

▼入塾資料請求フォーム 2024年度

▼ボランティア登録フォーム


◆LINK

▼運営「NPO法人維新隊ユネスコクラブ」

▼自習室「STUDY CAMP」

電話サポート(平日10-18)