2014年のステップアップ塾設立時に入塾し、早稲田の教室に4年ほど通塾していたA君から数年ぶりに連絡があった。なんでも大学で、5分ほどのドキュメンタリー映像を作る課題があり、どうせ作るならステップアップ塾をテーマに扱いたいと思い連絡をしたと言う。
細かい話はともかくウェルカムバックだ、おいでおいでと昨日は数年ぶりの再会が実現したのだが、「中学を卒業してから陸上自衛隊高等工科学校に入り、そこで貯めたお金で起業して今は同時進行で大学生生活をしてます!ステップアップ塾のおかげなのに、連絡遅れてすみません!」などとのたまう彼は高校卒業後直ぐに家計を助けるべく起業し、今や12人もの社員を雇う運送業と車屋を経営しながら学費はもちろん、親にも10万を超える生活費を渡しつつ、趣味である車も新車のベンツを買えるまでになったと言う。
「そこまで多くはなくとも役員報酬をもらえてるので、4年もお世話になった塾には何かしらの寄付や会員にもなりたいんですよね。朝食のカレーもたくさん食べさせてもらいましたし。」などと嬉しいことを言ってくれる彼は、小学生の時から出来るだけ早く自立したいと言ってたのだが初志貫徹、その目標を実現させつつあるらしい。
当時からハングリー精神を随所に感じさせてくれていた彼ではあるが、改めて聞いたさまざまな苦労話に悲壮感を感じさせないのは、彼のキャラクターがなせる技であろう。来塾目的であるインタビューも、工科学校で鍛えられただけあって二人の同級生にテキパキと指示を出し、事後は二人を先に帰らせた上で自信に満ち溢れた顔を向けながら「また来ます!」と帰って行った。そんな彼を見て、大学進学だけではなく人生における選択肢を広げられるよう指導し続けて来た当塾の活動方針は間違ってなかったな、と強く感じることが出来た。
当事業は正直言えば善意の心が折られそうになることも少なくない活動ではあるのだが、昨日の成功例を心に刻めばあと数年は頑張れると思えるほどに、彼から心の栄養を補充させてもらった。
相互理解を前提とした優しい世界の実現は大切に違いない。されどハングリー精神を刺激する教育は、無料塾が必要な子ども達にとってはより必要不可欠なスパイスなのだ。
補助金をあてにしない我々の運営を見て、言葉では理解出来なかったであろうその意義を、卒業後の元生徒が感じ取ってくれたことを幸せに思う。
奮起しよう。
誇りを持つからこそ、人は強くなれる。
ステップアップ塾は、関わるみんなが家族なり。
日本を愛するみんなが、家族なり。
PS:「顔出し?むしろ喜んで!」とのことだったので、ボカシなしでの公開です。
濱松 敏廣
「子ども時代に感じたDV家庭での不条理を、他の子ども達にまで感じさせたくない。」
そんな想いで、ステップアップ塾を開塾しました。
子ども目線での「有ったらいいな。」を忘れずに、食事つきを前提とした無料学習支援を実施しています。
ヤフーニュースへの寄稿
・「おんぶ」をせがむ小・中学生たち 生育環境で得られなかった「愛」を求めて
・学習塾の自粛で”居場所”失う子たち
・子どもの「スマホ依存」、どう向き合うべきか?取り上げることが「解決」ではない場合も
・“教育格差”是正に向けた1つのヒント 個別指導型オンライン学習のメリデリ
・食べられない子どもたちの現実 “SOS”を見逃さないために大人ができること
誕生日:1976年7月2日
出 身:東京都板橋区
学 歴:明治大学経営学部卒
現 職
・NPO法人維新隊ユネスコクラブ/理事長
・ステップアップ塾/塾長
・株式会社MACH2/代表取締役