講師の日記

茜先生による「世界がもし100人の村だったら」

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こんにちは!
学生講師の中藤茜です。

9月15日に先生のお話を担当しました。
内容を簡単に言うと、「世界がもし100人の村だったら」というお話を題材とし、
食べ物の大切さを生徒たちに伝えようとするものです。
給食の食べ残しを減らすことを目標として、このテーマを選びました。

「世界がもし100人の村だったら」のお話は昨年もあったのではないか?
と思った人もいるかもしれませんね。

そうです。
「世界がもし100人の村だったら」を題材に使用したお話は昨年もしました。
このお話を聞くのは2回目という生徒もいました。

ただし、まったく同じお話ではありません。
題材は同じでも、私から生徒に伝えたいことは、
昨年は「なぜ勉強するのか」、
今年は「食べ物の大切さ」と変えてあります。

「世界がもし100人の村だったら」は、
2000年にインターネット上でチェーンメールのように広まったもので、
2001年に日本で書籍化、2003年にはテレビ番組にもなりました。

まずは、その内容を一部抜粋して掲載します。

********************
 「世界がもし100人の村だったら」

今朝、目が覚めたとき
あなたは今日という日にわくわくしましたか?
今夜、眠るとき
あなたは今日という日にとっくりと満足できそうですか?
今いるところが、こよなく大切だと思いますか?

すぐに「はい、もちろん」と言えなかったあなたに、このお話をしたいと思います。
これを聞いたら、まわりがすこし違って見えるかもしれません。

世界がもし100人の村だったら

16人は栄養がじゅうぶんではなく、
そのうちの1人は死にそうなほどです。
でも21人は太りすぎです。 *1

77人は屋根のある家に住んでいます。
でも、あとの23人は屋根のない場所や路上で生活しています。 *1

13人はきれいで安全な水を飲めません。 *1

たった1人が大学の教育を受け、2人がコンピューターをもっています。
けれど、14人は文字が読めません。

44人はインターネットが使える生活をしていますが、
56人は使えません。 *1

75人は携帯電話を持っていますが、
25人は持っていません。 *1

もしもあなたが、
いやがらせや逮捕や拷問や死を恐れずに、
信仰や信条、良心に従ってなにかをし、ものが言えるなら、
そうではない48人より恵まれています。

もしもあなたが、
空爆や襲撃や地雷による殺戮や、武装集団のレイプや拉致におびえていなければ、
そうではない20人より恵まれています。

もし冷蔵庫には食料があり、着る服があり、
頭の上には屋根があり、寝る場所があるならば・・・
あなたはこの村の75人よりお金持ちで
もしあなたの両親がともに健在で、そして二人がまだ一緒なら・・・・
それはとても稀なこと

昔の人がこう言いました。
我が身から出るものはいずれ我が身に戻り来る、と。
お金に執着することなく喜んで働きましょう。
かつて一度も傷ついたことがないかのごとく人を愛しましょう。
誰も見ていないかのごとく自由に踊りましょう。
誰も聞いていないかのごとくのびやかに歌いましょう。
あたかもここが地上の天国であるかのように生きていきましょう。

このメッセージを人に伝えてください。
そしてその人の一日を照らしてください。

・・・・・・・・・・・・・
*1の部分は、『世界がもし100人の村だったら』2016年版
地球に住む約73億人の人々を100人の住む村に例え、世界情勢を知り相互理解を深めよう…というものです。

それ以外の部分(*2)は、少し情報が古く、当時の世界の人口は63億人とされています。
※インターネット上の複数サイトから情報を集めたため、何年のデータか不明な数字も含んでおり、また情報が正確であると保証することはできません。ご了承ください。

参考
*1 『世界がもし100人の村だったら』2016年版 幸せと平等の意味を考える

『世界がもし100人の村だったら』2016年版 幸せと平等の意味を考える


*2 世界がもし100人の村だったら② (池田香代子&マガジンハウス 編  2003年刊)
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/daiyogen47.html
・・・・・・・・・・・・・
********************

このようなお話を読み聞かせてから、今回は「食べ物」に焦点を当てて、
こんなお話を続けました。

では、栄養不足の人がいるのは、食べ物の生産量が足りないからなのでしょうか?
いいえ、実は、世界中のすべての人が十分に食べられるだけの食料は生産されています。
世界で1年間に生産される穀物は25億トン(国連食糧農業機関(FAO)(2016年))。
これは、世界中の人が十分に食べられる量の2倍に相当します。 *3

それでは、十分に食べられない人がいるのはなぜでしょうか?
生徒たちに、そう質問してみました。
「一部のお金持ちが独占しているから」と答えてくれた生徒がいました。

その通り。
そして、世界では人の消費のために生産された食料の3分の1、
毎年13億トンが捨てられています。 *3

日本では、毎年捨てられる食料は2797万トン。
まだ食べられるのに捨てられる食料は632万トン(農林水産省(2013年))もあり、
世界の食料援助量474万トン(国連食糧計画(WFP)(2012年))よりもはるかに多い量です。
また、その約半分にあたる302万トンは家庭から出ています。 *3

捨てられる食べ物を減らすにはどうしたらいいのか。
それを考えるための参考情報として、こんなデータを出しました。

********************
捨てられる食べ物の内訳 *4
①手をつけないまま捨てられる「直接廃棄」
②厚くむきすぎた野菜の皮などの「過剰除去」
③「食べ残し」
それぞれ約3分の1ずつ

参考
*3 世界の食糧問題-「世界食糧デー」月間2015 みんなで食べる幸せを
http://www.worldfoodday-japan.net/world.php
*4 2016年8月28日 朝日新聞 フォーラム「食べ物を捨てる」
********************

この3つのうち、どれが一番簡単に減らせるでしょうか?
これも生徒たちに質問してみました。
食べ残し、という答えが返ってきました。

大正解。
①は主に仕入れや買い物をする人が、②は料理をする人が捨てていますね。
買い物や料理をしない人にはどうしようもないかもしれません。
でも③は食べる人が捨てています。食事は誰でもしますからね。

最後に。
自分にできることはあるでしょうか?
こう問いかけました。

こんなお話をしているのだから、もちろん、できることはあります。
生徒たちにとって最も身近な食事の一つは、
ステップアップ塾での給食ではないでしょうか。

給食を平気で残し、食べ残しを捨てることを当たり前のように思っている生徒が、
中にはいることについて、
ステップアップ塾でも問題になっていました。

確かに、勉強時間をできるだけ多くとってあげたいと思うと、
給食の時間は長くは取れません。
また、給食の時間は貴重なコミュニケーションの時間でもあります。
しゃべりながらでは、時間内に食べるのが難しい人もいます。

食べる量には個人差がありますし、
その日の体調によってはあまり食べたくないときもあると思います。

でも、はじめによそられた給食の量を見て、食べきれないなと思ったら、
食べ始める前に減らしてもらうことはできるでしょう。

嫌いな食べ物がある人もいると思います。
嫌いだからと言ってまったく食べないのはよくありません。
でも、「半分は頑張って食べるから、半分に減らしていいですか?」などと言ってきたら、
減らしてあげてもいいと私は思っています。
手をつける前なら他の人が食べることもできます。
捨てるよりはよいのではないでしょうか?

このお話をした日の給食は、
心なしか残している生徒は少なかったように思います。
ただ、「ご飯粒一粒も残さずに食べましょう」と言うのを忘れていたためか、
本人は全部食べたつもりだけど、
皿にご飯粒がたくさんついたまま食器を下膳場所に持ってきた生徒が何人かいました。

今後は、ご飯粒まで残さずきれいに食べるように言っていきたいと思います。

あと、きれいに食べてくれると洗い物も楽になるんですよね(笑)
洗い物も先生たちがやっていますからね。

進んで手を挙げて意見してくれた生徒たちのおかげで、
スムーズにお話を進めることができました。ありがとう!

それでは、またお会いしましょう!

中藤茜でした!

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