受験シーズン到来とともに、2016年度のステップアップ塾も今月いっぱいで終わる。残り4回の授業と11日に行われるお茶会の中で得られる仲間たちや学生講師との時間の共有は、まさしく一期一会。学力向上はもちろん必要なことだが、他者との心の絆を通わせる経験を大切にする習慣を身につけることこそ、チャンスを無駄にしがちな君たちに本来私が強く伝えたいことだとそろそろ感じ取って欲しい。私たちは、さまざまな学びの機会を提供しているのだから。
さて私ごとで恐縮だが、群馬県に住まいを移して1年以上が経過した。東京で生まれ育った自分が地方に移住するなんて、引越しの1ヶ月前まで考えてすらいなかったことを思えば、住めば都と感じる人生は本当に不思議で、楽しいものである。
ただ、よく勘違いされがちなので敢えて一度だけ書くが、ステップアップ塾は一般市民の方からの寄付金だけでスタートした無料塾のため、いつも運営資金に苦しんでおり特に最初の2年間は自分の生活まで苦しくなってしまうほどだったのだ。平日は本業(塾ではない自分の仕事)のために車中で毎日寝て、木曜日は塾へ出席する。同じく塾のために電車で群馬から出てきた妻と、週末は車で群馬に帰る。この繰り返しは、他人様よりも頑丈に育ったとは言え40歳の身体にはかなりこたえたと言える。しかし理解者はいると信じて塾の必要性を説明して歩き回り、三年目に出会ったのが神楽坂の企業㈱八洋の後藤社長と会長、東京ワセダロータリークラブ会員のみなさまである。この出会いこそが「朝活カレークラブ」や美味しいお肉のある給食など、食事面の支援体制を作るきっかけになったのだ。
私があえてこの話を書いたのは、君たちに恩を感じて欲しいからではない。つまり、「人生、無理だと思ったら無理になる。できると思えば、なんでもできる。」と言うことが言いたいだけだ。自分の人生がつまらないからと、君はお母さんや友達、学校の先生を含めた社会のせいにしていないだろうか?少なくとも私から見た君たちは、名前すら覚えてもらえないのにボランティアとして勉強を教えてくれるお兄さん・お姉さんのような「先生」という強い味方がついているはずだ。
さぁ、改めて考えよう。君が「勉強ができない」と思う理由はなんだ?まず自分に、向き合ってみろ。
ステップアップ塾 塾長 濱松 敏廣
※2016年9月1日より、毎月紙媒体として発行されている学級新聞(4P〜6P)から、定期的に塾長担当記事の「VOICE」のみを転載しています。学級通信は、当塾への支援者を対象に送付、または授業参観にお越しの方への参考資料としてお渡ししています。
濱松 敏廣
「子ども時代に感じたDV家庭での不条理を、他の子ども達にまで感じさせたくない。」
そんな想いで、ステップアップ塾を開塾しました。
子ども目線での「有ったらいいな。」を忘れずに、食事つきを前提とした無料学習支援を実施しています。
ヤフーニュースへの寄稿
・「おんぶ」をせがむ小・中学生たち 生育環境で得られなかった「愛」を求めて
・学習塾の自粛で”居場所”失う子たち
・子どもの「スマホ依存」、どう向き合うべきか?取り上げることが「解決」ではない場合も
・“教育格差”是正に向けた1つのヒント 個別指導型オンライン学習のメリデリ
・食べられない子どもたちの現実 “SOS”を見逃さないために大人ができること
誕生日:1976年7月2日
出 身:東京都板橋区
学 歴:明治大学経営学部卒
現 職
・NPO法人維新隊ユネスコクラブ/理事長
・ステップアップ塾/塾長
・株式会社MACH2/代表取締役