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英単語テスト・無料公開奮闘記02~より多くの人が使える英単語テストの開発~【特徴と背景】

投稿日:2017年12月5日 更新日:

以前、当サイトで入力募集をさせていただいた英単語に関するオリジナル小テストですが、SCSKさんとの協働が進み素晴らしいサンプルがあがってきました。

参考教材として、旺文社の「高校受験でる順ターゲット中学英単語1800」の購入は変わらず推奨しています(※1)が、本テストも高校受験に使われる単語の出題頻度にあわせて作られておりますので、受験を意識される場合はかなり有効な英単語テストになっており、家庭での答え合わせもしやすくなっています。

また本テストは家庭の事情に関わらず、より多くの方のお役に立てるよう工夫をしたポイントがあります。それは、「弱視の方」や「発達障がい」を持たれる方でも試験対策ができるような工夫です。

※1 一流大学に通う当塾の学生講師達からの推薦です。

白黒出力と問題数が選べる工夫!?

PCやタブレットなど、最近は便利なデジタル機器があるので、弱視の方にも比較的見やすいとされる「黒白反転」対応可能な教材は、世の中に多数あるでしょう。

しかし以前の記事にも書いた通り、記憶の定着にはやはり「紙に書いて覚えること」が効果的です。

ただ、とは言っても基本的には健常者の方を対象としている法人の無料塾ですら紙に書くテストデータは著作権を理由に手に入りにくいのですから、障がいを持つ個人の方にとっては尚更入手しにくいであろうと推測した私たちは、白紙を前提とした黒文字出力はもちろん、黒紙に対する白文字出力・または白紙に黒背景+白文字出力が選択できるよう、SCSK技術者の方に依頼をしました。

また、発達障がいの中でも「聴覚優位」とされるお子さんは、視覚に飛び込んでくる問題数(文字数)の多さで拒否反応が出る場合も多いため、弱視の方と同様に問題数を選択することで文字フォントサイズが自動的に大きく印刷されるよう、調整しています。

例1)問題数20/一般出力 例2)問題数5/白黒出力

※問題数は、20問・10問・5問から選択が可能です。
※一般出力と、白黒(ハイコントラスト)出力が選択可能です。
※正規版では「_(アンダーバー)」は記載されていません。
※白黒出力でのテストの場合、白ペンの使用を推奨しています。

見えない力に突き動かされる「英単語テストの無料公開」

話は変わりますが、皆さんは旧幕臣の「尺 振八(せき しんぱち)をご存知でしょうか?

遣欧使節団遣米使節団の正使を歴任し、慶應義塾大学の福沢諭吉と並び称された英語の私塾・旧共立学舎の創立者が尺振八その人です。

第二回遣欧使節団への随行時の 写真(通称)「スフィンクスの侍」は、過去に日本のテレビでも取り上げられたようですので、ご存知の方もいるかもしれません。


※「スフィンクスの侍」(1867年)

尺によって訳された、英作家H・スペンサーの書物「斯氏(スペンサーのこと)教育論」が日本の教育に多大な影響を与え、初中等教育の歴史を語る上で欠かせない書籍であることを認識していた開塾前の私は、明治自由民権運動の盛り上がりとともに一大論争となった「三育主義(知育・徳育・体育)」の理念と有効性を改めて見つめ直すとともに、塾の指導方針として三育に代わるカリキュラム(※2)を意識しつつ「大家族的な塾運営」を掲げました。

旧幕臣・尺振八とステップアップ塾の奇妙なご縁

言わば当塾の根本にも重要な影響を与えたと言える「斯氏教育論=尺氏」ですが、実は他にも私たちと少なからぬご縁がありました。

そもそも当塾が活動する新宿区北山伏町の会場は、新宿区の後押しのもとで週に一回使用させて頂いているに過ぎない元・保育園施設です。

しかしその片隅に建てられた「尺家住居跡」の石碑と碑文にはかの地が尺家の敷地であったことの証明と、その子孫が昭和になってから新宿区に土地を寄進した経緯が記されていました。

そして大政奉還後の徳川慶喜が、尺の住む北山伏町まで英語を学びに来ていたと言う事実(※3)を知って以来、数学や算数を中心に学習指導を行ってきた当塾にとっての次の「ステップアップ」は、英語教育であるべき、と考えるようになったのです。

国内初となるはずだった英和辞書の作成に取り掛かりながらも編纂途中で亡くなったと言われる尺氏の数々の偉業を改めて称えるためにも、当塾ではみなさんのご協力によって作られている英単語テストの無料公開(※4)に向けて、調整をしていきたいと思います。

みなさま、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

※2 知育=学習指導、徳育=“ココロ”メンテナンス、体育=課外授業・給食など
※3 参考文献:英語の先達・尺振八/尺 二郎著
※4 無料の条件等は、現在調整中です

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